メモ

以下、なんとなく考えたこと・感じたことをなるべく整理した形で文字に起こして視覚化しました。ツッコミどころ満載かと思いますので、出来たら香りだけ感じてもらって、参考程度にお願いします。それっぽく書いてあっても、今はまるっきり意見が変わってるなんてことがよくあります。人は変わるからね、

期分けの具体例について

 以下、期分けの具体例とともに、各周期でのポイントを雑記します。ただ、以下はあくまで例であり、主観に基づくポイントなので、仮に正解不正解があるとするならば、だいぶ不正解寄りなポイントも多々あるはずです。これを丸呑みするのではなく、より質の高い仮説を立てるために使ってください。

 

 

①マクロ周期

 マクロ周期を設定する際、どの試合で最高のパフォーマンスを達成したいのか、ゴールを明確化することが第一です。多くの場合は1年のうち、春季~夏季のインターハイ路線と秋季~冬季の駅伝シーズンの2つに大別できます。

 

②メゾ周期

〈秋季~春季(県高校駅伝終了後、次シーズン5月上旬の県総体をターゲットとする場合)〉

(ア) メゾ周期(X0):11月

・前マクロ周期を振り返り、良かったことや悪かったことを検討し、方策を立てます。その後、反省を踏まえて、次マクロ周期の目標を立てていきます。多くの場合、このミーティングがだれます。準備不足です。県高校駅伝を走った人が感想を言って時間が終わってしまうケースがほとんどでしょう。こうしたミーティングは、①振り返り(:事実の把握)、②分析(:課題設定)、③対策(:具体的な今後の計画)の手順を踏むとスムーズに進みます。①振り返りは事前に済ませておくことも可能でしょう。ミーティングはみんなで考える場ではなく、みんなが考えたことや今後の方針を共有してチームとして統一性を持たせていく場なので注意しましょう。考えられる工夫としては、感想や個人の目標はあらかじめ各自で考えて共有しておくこと。話し合うことがある場合、ミーティング前に前もっていくつか論点を提示するなど、筋立った進行をするための準備をしておくこと。今後の計画ないし方針はより具体的に共有すること。などが挙げられます。

・11月頭の県高校駅伝にピークを持ってきている(はずの)ため、トラックで記録を狙うのに最適な時期と言えます。ただ一方で、(身体的・精神的)疲労が限界まで溜まっているケースなど、県高校駅伝を迎える前後で調子が下降気味になってしまうことも多くあるので、思ったより記録が出ないなんてことも多くあります。この場合、各々の様子を見つつ、焦らずに1度立て直して、2学期期末明けの12月中旬~下旬の記録会に出る等の工夫をすることで、案外リフレッシュできて、これまでの貯金で走れたりすることもある印象です。

・前シーズンでの疲労を取り除くことを目的に、移行期として、2週間程度走らない期間を設けることも考えられます。研究で、1~7日のディトレーニング(練習中止)でもVO2maxはほぼ落ちないこと、10~14日で約6%、14~30日で約12%、30~63日で約20%の減少程度にとどまることがわかっています。また、週160㎞のトレーニングを1年間続けたランナーに対し、87日間練習をストップさせたダニエルズの研究で、筋力は5~10%のみの低下、呼吸系はもっと落ちてもすぐ戻ってくることがわかっています。休養も次マクロ周期へリフレッシュした状態で臨むための練習と捉えて取り組むのも一つの手でしょう。この時、2学期期末のテスト期間を移行期に代用することもあると思います。テスト期間を代用することに対しては意見が分かれるところではあると思いますが、別に大した問題ではないです。結局は程度の話なのでどっちでも良いです。

・これまで県高校駅伝に向けて練習に取り組んできた場合、特にこの時期はモチベーションの維持が一つ、焦点になります。管理や外的な動機付けが選手の行動規範の多くを占めている場合は問題ないのですが、概ね生徒自治中心で個々人の内的な動機付けを中心に動いている集団においては必ずぶつかる問題です。この点、このメゾ周期(X0)内でトレーニングを積めたか積めなかったかはそこまで重要なことでなく、また、テスト勉強が大変であることも鑑みて、臨機応変に自由度を高めた計画を立てる必要がありそうです。
 人間誰しも、モチベーションが上がらないときはあります。ただ、時間は止まって待ってくれないわけで。どうしてもモチベーションが上がらないときには、モチベーションがなくてもやるべきことがこなせる仕組みを考えること。モチベーションが高い時には、少し頑張って今まで見えなかった景色を見ようとしてみること。これの繰り返しです。

 

(イ) メゾ周期(X1):2学期期末明け~県北駅伝(2月中旬)

・いわゆる冬季練習に入っていきます。冬季練習の精度はどれだけトレーニングの目的を明確にできるかに依存します。この目的が曖昧な選手は、トレーニングも曖昧になり、練習効果の測定も曖昧で、軌道修正も曖昧になってしまうこともあります。来年出したいタイム、勝ちたい試合、それを達成するために現場の自分には何が足りないのか。それを埋めれば本当に目標は達成できるのか。またそれは自分というタイプには習得可能なものか。習得にどれだけの労力と時間がかかるのか。これらを自問しながら論理的に筋が通るところまで落とし、目的を絞り込んでいく作業が必要です。この時、目標の高さからキャパ以上かつ自己満足のトレーニングを課すケースが散見されますが、トレーニングは故障するかどうかの限界を目指して行うものではなく、あくまで絶対に故障しない限界を目指して行うものであることは注意しておく必要があります。

・冬季練習の基本的な視点としては、いかに専門種目の練習をせずに(=シーズンインしたらできない練習を通して)土台を広げていけるかにあります。春先以降で好き勝手やるために、種を植えて水をやっている段階です。この点、サーキットトレーニングやウェイトトレーニングはこの時期に取り組むべきアプローチと言えそうです。長距離選手としては、力の使い方や伝え方、地面からの反発の貰い方を習得する絶好の機会になり得るでしょう。また、これらはシーズンイン以降の怪我予防にも大いに役に立つことでしょう。
 とりわけ、速く走ったり高く遠く跳んだりする才能のあるアスリートは、そうでないアスリートよりも怪我しやすい傾向にあると言えます。全然スピードが出ない軽自動車よりも、フェラーリのようなスーパーカーの方が、運転操作を誤ったときに事故を起こすリスクが高く、また、事故を起こした時のダメージも大きいように、速く走ったり高く遠く跳んだりする才能のあるアスリートは怪我をしやすく、怪我をしたときのダメージが大きくなるリスクも高いでしょう。こういった選手ほどしっかりトレーニングして怪我をしづらい身体をつくる必要がありますが、トレーニングをしなくても速く走れたり高く遠く跳べたりすることができる、練習だけやっていればいいパフォーマンスを発揮できる、と考えてしまいがちです。だいぶ熱心に干渉してくる指導者がいる場合を除いて、強くその傾向にあると思いますので注意しましょう。

・この時期、直近に狙うべきレースがないことから、気長な心構えで腰を据えて、技術的な点ないし短所だと考える点の改善を図ることが出来ます。色々試行錯誤することができる期間でもありますので、様々なトレーニングに新しくチャレンジしてみるのも良いでしょう。この時、早くから効果を期待して急いではいけません。たとえすぐに結果が出なかったからといえ、やってきたことが間違いだったとは限りません。効果が出るまでには時間差があります。もちろん調子は少なからず上下しますし、新しく何かに取り組めば、馴染むまでにいったん競技力が下がることも全然あります。無駄なことをやってきてしまったと落ち込み、焦って行動選択を歪ませてしまう方が断然罪です。

・基本の週間サイクルは、Jog*2~4、距離系*0~1、インターバル系*0~1、サーキットトレーニング*1あたりが妥当でしょう。ただ、距離を踏むことだけに努力値を振りすぎると、速い速度帯での動きや、出力感覚を忘れてしまうイメージがあります(個人的に)。故に、この時期においても、Jogや距離系終わりに+αとして、+200m*3~5や+400m*1~3、+1000m等、スピード刺激を入れておけると、良い感触をもってスムーズに次のメゾ周期へ移行できることでしょう。

・1月末の奥むさし駅伝、2月頭の県駅伝ないし県北駅伝に向けたアプローチは、年々によって異なります。長距離ブロックとしては駅伝を大切にしたいところではありますが、無論、調整して量を極端に減らしてしまうようではいけません。出るからには思い出作りに出るのももったいないですし、せっかくなら目的意識を持って出ることが求められます。トレーニングの進行具合を計る尺度として駅伝に出る場合、どこがどうだとどうなのか。どういった目的で、どの程度駅伝に比重を置いて取り組むのかは、チームとしてあらかじめ決めておく必要があるでしょう。一般には、1月に入ってから週1程度の頻度でレースペースの速度帯付近の練習に取り組むぐらいで十分です。男子の場合は、CVペースを軸にそれなりにボリュームを確保しつつ進めていく他、変化走の上げ下げの質を高めて対応していく形が、おさまりが良い印象です。女子の場合は、駅伝で走る距離が最終的にターゲットとする種目の2~3倍以上あるというケースも多いので、それなりに駅伝に向けて合わせて計画を立てても、長期的に見て一貫性は保たれるように思います。

 

(ウ) メゾ周期(X2):県北駅伝~春休み明け

・冬季練習も後半に差し掛かり、駅伝シーズンも終わると、やや疲労がみられるケースが多くあります。この時期における最悪のケースは、これまで順調にトレーニングを積めていたのに、少し無理をすることで、怪我をしてしまうことです。温習日前後を契機に一旦、強度(・量)を下げて、基礎的な有気的能力及び技術的な点並びに短所だと思う点の改善に努めるのも良いかもしれません。

・本格的なスピードの立ち上げは3月下旬~4月頭、具体的には鴻巣記録会ないし春合宿以降からでも十分間に合います。ただ、その準備段階として、2月後半~3月前半にかけて何度か、短距離ブロックと一緒に同じ練習に取り組む機会を設けるのも良いでしょう。春先にマイルリレーを走る選手もいると思いますし。

・基本の週間サイクルは、Jog*2~3、距離系*1~2、インターバル系*1~2、サーキットトレーニング*0~1あたりが妥当でしょう。トレーニングへの適応に合わせて、トレーニングの量、強度、密度は注意深く調整し、さらなる発達を目指していきます。前メゾ周期(X1)との主な相違点は、インターバル系の比重が高まっていくにつれ、Jogの比重が低くなっていく点にあります。ただこれは、いわゆる「ポイント練習」の負荷を徐々に高めていく中で、サイクル内での優先度も自然と上がる。このとき、各ミクロ周期の総負荷量がキャパオーバーにならないように、相対的に優先度が落ちるJog等で負荷を調節していくことを指します。疲労を残し過ぎないようにしながら全体の負荷をゆっくり高めるために、有気的運動の量を徐々に減らしていく意味合いです。ただ、Jogをするにしても、ただ単に距離を稼げば良いわけではなくなってくるということで、最もリスクの低いJogを中心に、尚練習のキャパシティを広げていく意識は重要です。春休み入りすぐ、レースペース付近の速度帯で、質を過度に求めながらまわしていくようでは、トラックシーズン後半でフィットネスの貯金は尽きてしまうでしょう。あくまで春休み明け、5~6月あたりのステージを視野に取り組む場合はそれ以降まで、過度に質を求めるのは我慢するべきだと思います。いざレースペース付近の速度帯でトレーニングを始めると、案外早くレースペースに身体は馴染んでいきます。試合期と同様の練習でも目的設定が異なる例も参照。

 

(エ) メゾ周期(X3):春休み明け~県総体

・基本の週間サイクルは、Jog*2~3、距離系*1~2、インターバル系*1~2で、メゾ周期(X2)とほぼ同じくなるでしょう。ターゲットとするレースに向けて、レースで要求される専門的な体力にフォーカスして、特異的なトレーニングの頻度を増やしていきます。その中で、これまで身に付けた理想的な動きをレースペース前後の速度帯に落とし込んでいくことを目指します。また、これまでの周期を通して、各体力要因の改善がすべて同様に進むとは考え難いので、改善が遅れている体力要因を高めるトレーニングを強調し、発達のバランスを図っていくのも良いでしょう。

・レースに向けたピーキングに関しては(4.1~4.3)を参照。各選手によってターゲットとするレースは異なってくると思います。故に、自由度をそれなりに高めて練習メニューは組み、適宜疲労をモニターしながら調整していく形をとるのが、応用が利いて良いように思います。

・新入生が入り、一段と人数が増え、競技レベルの幅も広がる中で、どの程度の範囲で自由度を高め、練習メニューの匙加減を各々に任せるかは考える必要がありそうです。一般に、競技レベルが下がるほど単独で目的意識をもって追い込むのは難しい傾向にあります。この点、例えば、男子がペース走の日に女子は同ペースのインターバル系を持ってきて男女一緒に行うなど、複数人で練習をやり遂げるような形を作る工夫も一つの方法だと思います。

・とりわけ、新入生は受験期を挟み、トレーニングが中断しているケースが多いため、一気にトレーニングを再開すると怪我してしまうことがあります。故に、新入生の練習メニューの計画は慎重に行う必要があります。この点、トレーニング負荷の総量を徐々に高めたのち、その負荷の中で練習内容を調整する形が理想です。まずは走行距離を伸ばしていき、目標を達成できたら、走行距離はそのままあるいは少し減らした状態でポイント練習を適宜入れていくのが良いでしょう。トレーニング負荷を増やすタイミングと質を高めるタイミングを重ならないように気を付けることがポイントです。Jogはトレーニング負荷を低リスクで高めることができる有用な選択肢の一つです。少なくとも最初の1か月はJog(+流し)のみで十分でしょう。その後、遅めのペース走やインターバルを徐々に入れていき、本格的なスピード練習は5月末~6月頭から良いと思います。いきなりペース走やインターバルをやらせて、トレーニング負荷を稼ごうとするのは得策とは言えません。

 

〈春季~秋季(県総体終了後、次シーズン11月上旬の県高校駅伝をターゲットとする場合)〉

 基本的には、秋季~春季(県高校駅伝終了後、次シーズン5月上旬の県総体をターゲットとする場合)とほぼ同様です。特筆すべきことだけ。

(ア) メゾ周期(X0):1学期中間明け~6月末

・11月以降の取り組みについて、今一度振り返る必要があります。そこで抽出された改善点等は必ずメモをして、来年以降に引継ぐべきです。高校駅伝終わりのミーティングと同様に。

・5月上旬の県総体にピークを持ってきている(はずの)ため、また、6月後半以降になるとテストも近づき、暑さも増すことから、4月下旬~6月上旬はトラックで記録を狙うのに最適な時期と言えます。これは、県北総体または関東総体にピークを持ってきていても同様です。記録会等を上手に使いながら、目標とする専門種目の距離で上手く力を使い切れるよう、レース感覚を身に付けていけたら最高です。

・トラックシーズンに区切りをつけたのち、まずは、これまで直近で取り組んできた内容と反対の練習にフォーカスし、身体をバランスの取れたニュートラルな状態に戻すために時間をかけてあげる必要があります。おそらく、レースペース付近の速度帯の練習に比重を置いて、距離系の練習はそれほど積めていないことと思うので、ゆっくりと有機的能力の土台が作るトレーニングで距離を踏むのが良いでしょう。

 

(イ) メゾ周期(X1):1学期期末明け~県北新人

・仮に走力を最大化させる走行距離が存在すると仮定した場合、個人差はあれど、多くの場合で最適値より少ないと考えられます(3.1.6を参照)。引き続き、距離を踏んでいきましょう。ただ、あくまで手段であることは忘れないこと(3.1.7を参照)。トレーニング負荷の総量を順調に増やしていくにあたっては、ポイント練習の質は大して重要ではありません。ただし、適宜、速い動きの確認は入れておくべきでしょう。

・夏場のトレーニングは、多くのランナーにとって難しいものと思います。暑熱環境下において、疲労を残さずに充分な質と量のトレーニングをこなすことは不可能でしょう。これは体温上昇に起因して、生理学的に無理ってことなので、気合を入れればなんとかなるとか、そういう問題ではありません。競技アスリートが暑熱環境下で持久性運動を行った場合、運動中の深部体温(核心温)が約40℃になると疲労困憊で運動できなくなります。約40℃という高体温は、運動継続を制限する体温の危機的限界レベル(臨界温度)とみなされます。過度の体温上昇は、呼吸循環器系や筋代謝系、脳活動や認知機能といった中枢神経系の機能不全を起こし、運動パフォーマンスの低下、ひいては熱中症など生命を脅かすことになります。また、熱疲労と呼ばれる疲労の蓄積が速くなる、もしくは疲労がなかなか回復しない現象があり、ただ単に、単一のワークアウトにおけるタイムが遅くなるだけではなく、ペースを落として同じトレーニングをした時の疲労の回復具合に大きな差が出ることがあります。そこで、暑熱環境下でのトレーニングにおいては、特別な対策が必要とされます。
 暑熱環境下において、単純にペースダウンを余儀なくされるだけなら、ペースを落として同じトレーニング内容を組めば良いでしょう。トレーニング効果としては、そう大きく変わらないはずです。ただ、暑熱環境下では、心拍数はパフォーマンス以上に上がりやすくまた下がりにくくなる他、すぐに呼吸が苦しくなりストップしてしまうことや、無理に行っても内臓に負担がかかって食欲を失ったりして、貧血の原因になってしまうこともあります。トレーニングの内容も工夫する必要があるケースもあるでしょう。実践例としては、インターバルを数本実施したら一旦走るのをストップし、長めの休憩によって心拍を十分に落とすセット式にすることで、パフォーマンスを維持させる等が考えられます。
 特別な対策例としては、木陰に入り、輻射熱を避けること。気化熱を利用し体温を下げること。冷たい飲料を飲むこと。首筋など太い血管の付近を冷やす(血液を冷やす)こと。手掌部を冷やすこと(手掌部はラジエーターの役割を持ち血液を効率的に冷やせる)。などが挙げられます。
 また、セットインターバルの実践例としては、
・200m*4-5*2-3 [1500mRP/r200mJog R4-5’]:1500mRPで200m*4-5本*2-3set
・400m*4-5*2-3 [3kmRP/r200mJog R4-5’]:3kmRPで400m*4-5本*2-3set
・400m*3-5+300m*3-5+200m*3-5 [3kmRP+1500mRP+800-1500mRP/r200mJog R4-5’]:3kmRPで400m*3-5本, 1500mRPで300m*3-5本, 800-1500mRPで200m*3-5本
・2000m*2-3 [5kmRP/r適温に戻るまで]:5kmRPで2000m*2-3本 などが挙げられます。

・秋に入り、再びシーズンが始まると、2か月の中で、県北新人、県新人、2学期中間テスト、修学旅行、関東新人、稲稜祭、県高校駅伝と立て続けに特殊イベントが発生します。まだ落ち着いた夏休みの段階で改めて、チームとしてはどういった方針で、また、各々は何に向けて進んでいくのか確認する必要がありそうです。これは、年々によって、個性が出るところかと思います。各選手のレベルによっても、チームのレベルによっても、異なり得るでしょう。もちろん、この時、県高校駅伝に向けた目標の確認も行うべきです。
 県北新人に合わせていく場合には、少なからずお盆明け前後からは、県北新人を視野に本格的に練習を切り替ていくる必要があります。徐々に練習の質・量・密度を調節する過程は春先と同様です。あくまで県新人ないし県高校駅伝を考えているのであれば、まだまだ我慢して距離を踏んでいきたいところです。県高校駅伝を視野に県新人に合わせる場合には、県北新人明けから。県高校駅伝のみを目標にする場合には、(不安にならないのであれば)県新人明けから、本格的に切り替え始めるようで十分間に合います。もちろん、走る予定の距離によりますが(上は、8~10kmをイメージ)。

 

(ウ) メゾ周期(X2):県北新人~2学期中間

・県北新人にピークを持っていている場合、9月後半~10月前半はトラックで記録が狙いやすいタイミングと言えます。さいたま市ナイターや、大東文化大記録会、平成国際大記録会、国士館大記録会、日体大記録会など、多くの記録会が開催される時期でもありますから有用です。また、県高校駅伝のみに合わせている場合にも、記録を狙わないにしろ、高強度練習の一環として出場してみても良さそうです。県新人にピーキングしていく場合には、(4.1~4.3)を参照。

 

(エ) メゾ周期(X3):2学期中間明け~県高校駅伝

・県高校駅伝に向けたピーキングに関しても(4.1~4.3)を参照。基本的に春同様ですが、2学期中間テストがあったり、毎週のようにレースが続いたりすることから、「想定される例外的シナリオとその修正案(4.2.4.)」が参考になるでしょう。それぞれ走る距離が(おそらく)主戦場とする種目よりも長いと思います。しかし、ピーキングのメカニズムにおいては変わりません。距離が伸びても基本はトレーニング負荷の減少率をそのままに、疲労度等を考慮しながら、臨機応変に対応していくことが求められます。この点、少なくとも、①県北新人に合わせたのち県高校駅伝に合わせたグループ、②県高校駅伝を視野に県新人(ないし関東新人)に合わせたグループ、③県高校駅伝に直接合わせたグループが存在し得、その中にもレベル差は多少なり存在するので、一概にバランスをとるのは難しいでしょう。ただ、このメゾ周期(X3)に入る前までにトレーニング負荷の総量を減らし過ぎていさえしなければ、取り立てて心配するほどのことではありません。