メモ

以下、なんとなく考えたこと・感じたことをなるべく整理した形で文字に起こして視覚化しました。ツッコミどころ満載かと思いますので、出来たら香りだけ感じてもらって、参考程度にお願いします。それっぽく書いてあっても、今はまるっきり意見が変わってるなんてことがよくあります。人は変わるからね、

駅伝にまつわる諸問題について

 

1. 駅伝の競技特性

 駅伝で勝とうと思うとき、最適な方法は駅伝に出る選手の走力の合計値が最大にすることです。つまり、強豪校的な考え方をすると、1番大事なのは7人もしくは5人のタイムの合計が最も速くなることであって、最終的に誰が駅伝に出ようが大した問題ではありません。故に、10人爆発的に伸びるけど90人は怪我をする練習があるのであれば、それはチームが駅伝で勝つ目的において最適解だと言えます。一方で、選手層の薄いチームではそれが出来ません。しかし、1人でも多く速い選手を集めたチームが勝つという駅伝の競技特性がある以上、個人レベルにおいては、どうすれば個人のパフォーマンスを最大化させることが出来るのかを前提に練習していく必要があります。
 ただし、駅伝にはチーム力や作戦勝ちといった個人の走力和だけでは評価出来ない要因もあるものだと思います。この点、チーム戦略が大事であり、「各々が持っている能力を最大限に発揮し、かつ弱点の露呈を最小限に留めること」こそがチーム戦略のセオリーです。区間配置はそこに意味を持ちます。これはすなわち、どの選手がどの区間を走るのかを決める際には、「未確定の未来をどう捉えるか」が争点になってくることでもあります。
 区間配置を考えるにあたっては、選手の経験、得意不得意、ライバル校の状況など多くの基準があって、相互作用の中から合理的な根拠を持って最適解を導き出す必要があるでしょう。そのためには色眼鏡無しに正しく自分自身を評価する必要があることは言うまでもありません。迎合的な評価では失敗します。もちろん、駅伝の競技特性を無視した戦略は間違っています。遅い人たちがいくら集まって会議したところで遅いまま。あくまで駅伝に向かうプロセスにおいて、個人レベルでの成長がチームの成長の鍵であることは注意すべきです。

 

2. 中距離選手が駅伝に出場するケース

 中距離選手が県新人ないし関東新人などで中距離種目に向けて調整し、出場したのち、駅伝(概ね3km以上)に出場するケースが考えられます。その際、本来であれば、再び特異的な練習に取り組むためには一般的な練習に戻り、一旦、身体をニュートラルな状態にするために時間をかける必要があります。故に、これまで直近で取り組んできた内容と反対の練習にフォーカスする(スピード練習中心であれば、ゆっくりと有機的能力の土台が作るトレーニングで距離を踏む)ことが最良な方法です。しかしながら、短い中間では、ジャンクマイレージを増やし、トレーニングのボリュームを少しずつ増やしていくほど、時間的余裕はないことでしょう。そこで、レースのための練習を中心に、レースから一直線に逆算して、必要最低限の練習で結果を出していくイメージで取り組むのがベストだと思います。
 とりわけ、焦点になるであろうポイントは2点。

① 有酸素系能力
 「植物の成長は、必要とされる栄養分のうち最も少ないものにのみ影響される」とする「リービッヒの最小律」の考え方のように、競技力は得意な部分よりも苦手な部分の制約をより受ける傾向にあります(あるように感じています)。この点、中距離選手が3km以上のレースに出場する場合、有酸素系能力がボトルネックになっているケースが多いです。そこで、基本的には有酸素系の能力向上に直接働きかけることが1つの最適解のように思います。どの程度のペースでどれだけ走ればいいのかに関しては、答えはもちろん人によります。ただこの場合では、たとえ距離は短くてもこぎみよく、それなりに速いペースで走るのが良いと思います。そこそこ速いペースの持久走でトータルの有酸素刺激を確保していくと良いでしょう。ただし、リカバリージョグ等の場合は、目的に従ってゆっくり取り組むべきでしょう。

② 特異性
 トレーニングを行う目的は、目下の駅伝で、目標タイムで走ることであり、一から練習のための練習をしている時間はありません。すなわち、トレーニングは目標とする状態に持っていくために身体を慣れさせることが一番の目的となるでしょう。故に、トレーニングを通して、目標とするレースペースに慣れさせていくことが大切になってきます。そこで、タイムトライアル等、特異的なトレーニングをこなしていくことの比重が上がってきます。駅伝で走る距離及びペースに慣れていない場合は、特に有効でしょう。タイムトライアルといっても、レースの半分程度の距離を目標とするレースペースで走ることを指します。その他にも、1000m*3や2000m+1000mなど、多少のバリエーションを持たせつつ、レースペースに身体を適応させていくとともに、レースにおける出力配分の感覚を身に付けていくことが重要です。このとき、ただがむしゃらに走るのではなく、スーっと走れるようになることを意識できると良いです。