メモ

以下、なんとなく考えたこと・感じたことをなるべく整理した形で文字に起こして視覚化しました。ツッコミどころ満載かと思いますので、出来たら香りだけ感じてもらって、参考程度にお願いします。それっぽく書いてあっても、今はまるっきり意見が変わってるなんてことがよくあります。人は変わるからね、

インターバルについて

 

インターバル(理論編)

1. ダニエルズによる分類【インターバルトレーニング(Iトレーニング)】

 IはIntervalの略で、VO2maxの約95~100%、HRmax約97.5~100%程度を指します。1回あたりの練習量の上限は5分(安静時VO2から運動を始めるとVO2maxに達するために約2分かかるため、疾走時間は3~5分が目安です。(ある1つの身体機能を向上させるにはその機能に負荷を与えることが最も良いと考えられるため。しかし、休息の時間を短く保つことができれば、3~5分より短くても構いません。)。また、1回の練習あたりの上限は10km、あるいは週間走行距離の8%のどちらか短い方です。Iトレーニングの目的としては、「有酸素能力(VO2max)の向上」が挙げられます。
 Iトレーニングの強度はVO2max(とHRmax)か、それに極めて近い値に設定すべきであり、運動も休息もトレーニング目的を十分に達成できる比で行わなければなりません(→疾走時間が5分を超えると負荷が高すぎてしまい、5分以上の疾走を3~5kmのレースペースで何本も行うことは困難、かつ、合間に休息を長くとらないとVO2maxは完全に回復せずに次の1本ではより短い時間でVO2maxに達してしまう。)疾走時間と休息時間の推奨比は1:1から3:2の間。
 実際、100%VO2max程度の運動強度で15分程度の運動が最も効率的にミトコンドリア容量を増やすことが明らかになっています。ただ、100%VO2max程度の強度で15分間の持続的な運動を実施することは不可能に近いことから、インターバルトレーニングが有効なトレーニング方法と言われているわけです。

 

2. インターバルの目的

 LTより速いペースで走ることとジョグで休むことを繰り返します。乳酸濃度はジョグによってある程度減少するものの、十分に減少しきらない状態で次の疾走が始まることでLT付近のペース走で行うような練習をLTより速いペースで行うことができるようになります。LTより速いペースで走ることにより速筋の有酸素系持久力が効果的に養成され、酸素欠乏状態での筋活動能力の上昇を図ります。また、疾走区間を短くしたショートインターバルでは無酸素系の筋持久力、最大酸素摂取量、神経系の改善等も見込まれます。

 

3. 状況によって異なる目的設定の例

 自身の身体の状態ないし取り組む時期によって、同様のトレーニングを行うにしても、各トレーニングの目的は異なることがあります。以下、わかりやすく400m*10を例に考えていきます。

① 狙ったレースが近づいているような比較的フレッシュな状態で行う400m*10
 1本1本の疾走の精度を上げることにフォーカスします。仮に狙ったレースが近づいているのに設定タイムを下回るようであれば、そこで辞めるべきでしょう。速筋線維への刺激を入れ、レースに特異的な速度や動作を目的とし、努力感なくスピードを出す感覚やフォームが養っていきます。レースの中間走をイメージし、楽にやり過ごす動きを作ることができると良いです。

② 走り込み期のような慢性的な疲労下で行う400m*10
 全体を通してまとめることを意識します。仮に基礎期に設定タイムを下回るようであっても、気にすることはありません。疲労しやすい筋が疲れていて使えず、努力感が上がるため、レース後半局面の再現になります。疲労しにくい筋で出せる最大スピードを高めるトレーニングとして、上手く疲労をあしらいながら速度を維持することを目的にできると良いでしょう。

 

4. 1000m*5

 1000m*5 (5kmRP/r200mJog)は今もなお定番?な練習です。間はなるべく短ければ短いほど良いという認識で取り組まれることが多いです。
 しかしながら、体感的に1000m*5は、運動休息比が3:1だと5-10kmRPで、2:1だと3-5kmRPで回せる印象です。ダニエルズにおいても1:1から3:2の間が推奨されています。高強度インターバルの論文でも2:1から1:1の間を推奨するものがほとんどです。おそらく、間はなるべく短ければ短いほど良いという認識は、(集団でやる場合には、)疾走ペースが固定されている場合が多いからだと考えられます。もちろん、同じ疾走ペースで行う場合においては、間が短い方が効果は高いですが、比べるべきは1000m*5 (3:00/km/r60”)と1000m*5 (2’55”/km/r90”)でしょう。
 この点、1000m*5 (5kmRP/r200mJog)では疾走ペースが速すぎる、もしくは間が短すぎる可能性があります。持久力が未熟で5000mに慣れてない初期のみ効果があり、頭打ちになるケースが多いです。そこで、ペースは維持したまま間を伸ばす1000m*5 (5kmRP/r400m)や、ペースを落として間は維持しつつ練習全体のボリュームを増やす1000m*6-10 (10kmRP/r200mJog or 400mJog)でしっかりとした有酸素ベースを作り、試合期に強度の高い練習で仕上げていくことがおすすめです。
 また、1000m*5に限る話ではないですが、1000m*5を上手くこなす技術があり、その技術をあげることで1000m*5そのものが上達しまうケースがあります。その結果、1000m*5が出来るようになっても5000mは速くならないことが多いです。レースで強い選手ではなく、1000m*5に強い選手になってしまっては、手段が目的になってしまっており、失敗と言えるでしょう。
 客観的に見て、練習は強いのにレースで思ったほど結果が出ない選手は、原因をレースでの過緊張やプレッシャー等としがちですが、練習自体に適応してしまった、もしくはその選手にとってすごく得意な内容だったため、強く見えたとも言えます。この点、得意な練習が本当に結果を出すために必要なものか精査する必要がありそうです。

 

 

インターバル(実践編)

1. CVトレーニン

 CV(Critical Velocity=臨界速度)トレーニングと呼ばれる、最大酸素摂取量(VO2max)90%に達するペース(ほぼ10kmRP)でのインターバルは、中間筋(タイプⅡa筋線維)に刺激を与えての有酸素能力向上をもたらす(遅筋寄りの性質を高める)と言われています。最大酸素摂取量(VO2max)90%に達するペース(ほぼ10kmRP)がその効果を期待できる臨界速度ということで、CVペースと呼ばれたりもしています。5kmRPかそれ以上のハードなトレーニングでは、効果が3-4週間で頭打ちになってしまうことや、練習後のダメージ回復に時間がかかってしまうこと等のデメリットが、また、LTペースでのインターバル走はスピードが上げられないことがかえって不快に感じてしまう等のデメリットがあります。この点、10kmレースペースでのインターバルは、ダメージを減らしながら量も稼ぎつつ、なおかつスピードも刺激できるという非常にバランスがとれたトレーニングと言えます。

〈実践例〉

・1000m*6-10 [CV/r200-400mJog]:CVで1000m*6-10本(リカバリー200-400mJog)
・1400-1600m*5-8 [CV/r400mJog]:CVで1400-1600m*5-8本(リカバリー400mJog)
・2000m*3-5 [CV/r400mJog]:CVで2000m*3-5本(リカバリー400m)
・400m*12-20 [CV/r50”-60” or 200mJog]:CVで400m*12-20本(リカバリー50-60秒 or 200mJog)
・600m*8-15 [CV/r200-400mJog]:CVで600m*8-15本(リカバリー200-400mJog)

 

2. 短めのインターバルの組み合わせ

〈実践例〉

・200m*10+1000m [1500mRP/r200mJog R400mJog]:1500mRPで200m*10本(リカバリー200mJog), R400mJog, 1500RPで1000m
・(200m*2+400-600m)*4-5 [1500mRP/r走った距離]:1500mRPで(200m*2本+400m)*4-5set(リカバリー走った距離)
・300m*10-15 [5kmRP/r100mJog]:5kmRPで300m*10-15本(リカバリー100mJog)
・300m*5*2-3 [1500mRP/r100mJog R10-12’]:1500mRPで300m*5本(リカバリー100mJog)*2-3set(リカバリー10-12分)
・400m*10-12+1000-2000m [5kmRP/r200mJog R5-10’]:5kmRPで400m*10-12本(リカバリー200mJog), R5-10分, 5kmRPで1000-2000m
・400m*5*2 [3kmRP/r200mJog]:3kmRPで400m*5本(リカバリー2分)*2set(リカバリー10分)
・400m*8 [3kmRP/r200mFloat]:3kmRP付近で400m*8本(リカバリー200mFloat)*Float:勢いを残したまま速いペースでつなぐ。Ex) 3000m:9’00”。=72”/400m 72”*8 r50-54”
200m*16 [3kmRP/r100mFloat] のバリエーションもあり。
:3kmRP付近で200m*16本(リカバリー100mFloat)*Float:勢いを残したまま速いペースでつなぐ。Ex) 3000m:9’00”。=36”/200m 36”*16 r22-24”
・(400m+300m+200m)*3-5 [1500m-3kmRP/r300mJog-200mJog R400mJog]:1500m-3kmRPで(400m+300m+200m)(リカバリー300mJog-200mJog)*3-5set(リカバリー400mJog)
・(600m+400m+300m+200m)*2-3 [1500m-3kmRP/r400mJog-300mJog-200mJog R400mJog]:1500m-3kmRPで(600m+400m+300m+200m)(リカバリー400mJog-300mJog-200mJog)*2-3set(リカバリー400mJog)
,600m*10-15 [3-5kmRP/r200mJog]:3-5kmRPで600m*10-15set
・(800-1000m+300m)*3-5set [5kmRP+1500mRP/r300mJog R400mJog]:(5kmRPで800-1000m, r300mJog, 1500mRPで300m)*3-5set(リカバリー400mJog)
・(1200m+800m+400m)*2-3 [5kmRP+3kmRP+1500mRP/r400mJog R10-12’]:(5kmRPで1200m, r400mJog, 3kmRPで800m, r400mJog, 1500mRPで400m)*2-3set(リカバリー10-12分)
・(1600m+1200m+800m+400m)*2-3 [10kmRP+5kmRP+3kmRP+1500mRP/r400mJog R10-12’]:(10kmRPで1600m, r400mJog, 5kmRPで1200m, r400mJog, 3kmRPで800m, r400mJog, 1500mRPで400m)*2-3set(リカバリー10-12分)

 

3. 長めのインターバルの組み合わせ

〈実践例〉

・1000m*3 [3kmRP/r400mJog]:3kmRPで1000m*3set(リカバリー400mJog)
・1000m*5 [5kmRP/r200mJog or 400mJog]:5kmRPで1000m*5set(リカバリー200mJog or 400mJog)
・1400-1600m*3-4 [5kmRP/r400mJog]:5kmRPで1400-1600m*3-4set(リカバリー400mJog)
・2000m*3 [5kmRP/r600mJog]:5kmRPで2000m*3set(リカバリー600mJog)
・600m*3+3000m+1000m [3kmRP+5kmRP+1500mRP/r200mJog-1000mJog-1000mJog]:3kmRPで600m*3本(リカバリー200mJog), r1000mJog, 5kmRPで3000m, r1000mJog, 1500mRPで1000m
・1000m*3+6000m+1000m+400m [5kmRP+(LT+10s/km)+5kmRP+free/r200mJog-4000mJog-400mJog-400mJog]:5kmRPで1000m*3本(リカバリー200mJog), r400mJog, (LT+10s/km)で6000m, r400mJog, 5kmRPで1000m, r400mJog, 1500mRPで400m

 

4. Hランニング

 きついと感じるランニング(Hランニング)を繰り返すだけでもトレーニングになり得ます。時間を目標にHランニングを行う場合、10分~12分間レースで走り続けられると思うペースに設定します。この時、休息時間はより若干長くすると良いでしょう。

〈実践例〉

・ステップカウントダウン
 10歩(右足が着地するごとにカウント)H-runを行い、10歩jog。次に、20歩H-runと20歩jog。30歩H-runと30歩jog。それぞれ100歩になるまで10歩ずつ増やす。100歩に達した後は反対に、10歩になるまで10歩ずつ減らす。練習時間はおよそ25分間で、距離は5~6.5km程度になるはず。