メモ

以下、なんとなく考えたこと・感じたことをなるべく整理した形で文字に起こして視覚化しました。ツッコミどころ満載かと思いますので、出来たら香りだけ感じてもらって、参考程度にお願いします。それっぽく書いてあっても、今はまるっきり意見が変わってるなんてことがよくあります。人は変わるからね、

ストレッチングについて

〈前提ーストレッチングの種類ー〉

・スタティック(静的)ストレッチング
 反動をつけずにゆっくりと関節可動域の限界近くまで筋や腱を引き伸ばし、その状態を一定時間保持します。
・ダイナミック(動的)ストレッチング
 伸ばそうとしている筋群の反対側に位置する筋群を意識的に収縮させ、関節の曲げ伸ばしや回旋などを行って、筋や腱を引き伸ばします。
・バリスティックストレッチング
 反動や勢いをつけて関節の可動域の全体あるいは可動域を超えるところまで筋や腱を引き伸ばします。
・PNF(固有受容性神経筋促進法)を用いたストレッチング
 関節の可動域の限界近くでパートナーの抵抗に反発するように、伸ばそうとしている筋の力発揮を行い、力を抜いた後、スタティックストレッチングを行う方法等が一般的です。

 

運動前

 運動前のストレッチングには、①運動中の怪我予防と、②運動のパフォーマンス向上効果が求められます。運動に必要な関節可動域が獲得されていない状態や筋や腱が硬い状態で運動すると、怪我を負う危険性が高まります。怪我の予防にはストレッチングで運動に必要な可動域を獲得し、筋や腱をほぐすと良いでしょう。肉離れの予防には特に効果的とされ、発生率は半分以下に減らせるとされています。また、運動パフォーマンスを向上させるためにはいわずもがな、運動に必要な可動域の獲得と筋や腱の機能の改善が必要となります。ストレッチングを通して、関節の可動域を広げたり、筋の萎縮を抑えたりすることで、運動前の準備ができると良いでしょう。

 

スタティック(静的)ストレッチング

 スタティック(静的)ストレッチングとは、動をつけずにゆっくりと関節可動域の限界近くまで筋や腱を引き伸ばし、その状態を一定時間保持するストレッチ方法です。スタティック(静的)ストレッチングには可動域を広げる効果はありますが、筋や腱の機能の改善効果はさほどありません。そればかりか、運動前の30秒以上のスタティック(静的)ストレッチングは、かえって筋の機能を低下させてしまい、パフォーマンスの低下や怪我のリスクを高めてしまう可能性があると報告されています。では実際、どのような差が出るのかと言うと、垂直跳びで約4~5%の記録の低下、ジャンプ系のテストにおいて接地時間がのびること、40mダッシュで平均0.1秒の記録の低下がみられたようです。また、30分間走においても、静的ストレッチをするのとしないのとでは、走行距離、心拍数、消費カロリーに有意な差がみられたようです。一番影響があるのは瞬発系の競技ではあるけれども、少なからず長距離にも悪影響をもたらしそうだ、というのが多くの研究者の立場と考えられています。この点、それは神経筋の周りで起きる現象が主因と言われています。静的ストレッチにより筋動員低下・筋系の剛性低下が見られる。その結果ランニング中における弾性エネルギーが低下する、つまりは「バネ」が失われる。そんなニュアンスです。したがって、運動前に30秒以上のスタティック(静的)ストレッチングの実施は良くないのがほぼ定説になっています。そのため、実際のスポーツの現場では、30秒未満のスタティック(静的)ストレッチングの利用が一般的です。また、スタティック(静的)ストレッチングには当日のコンディションをチェックする、すなわち、柔軟性のチェックすることで、どの筋を重点にストレッチングしなければならないかを確認する目的もありますが、その場合も30秒未満の実施にとどめることを心がけましょう。
 私自身、少し体を温めた後で、少しストレッチをすることは生理学的にはパフォーマンスを高めもしないし、低めもしないと感じています(肌感覚)。ウォーミングアップにおいては、自分なりのルーティーンを確立し繰り返すことで、精神的に安心し集中力が高まり、本来のパフォーマンスを発揮しやすいと言われています。この点、運動前にあまり効果が無いようなスタティック(静的)ストレッチングも、自分が気に入っていてそれで気分よく走ることができるなら、適度に取り入れる分には全く問題ないと思います。心理的に準備ができたように感じるということが一番の効果です。ただ、やり過ぎないようにねってことです。

 

ダイナミック(動的)ストレッチング

 ダイナミック(動的)ストレッチングとは、伸ばそうとしている筋群の反対側に位置する筋群を意識的に収縮させ、関節の曲げ伸ばしや回旋などを行って、筋や腱を引き伸ばしするストレッチ方法で、リズム良く実際のスポーツに近い動きを再現したものです。ダイナミック(動的)ストレッチングは運動に必要な可動域の改善効果と筋の機能を高める効果を併せもつことから、運動前に、ウォーミングアップとしてパフォーマンスを向上させるのに適した方法であると言えます。実際に、多くの研究でダイナミックストレッチングの実施によるジャンプ力やダッシュ力等の瞬発力の向上効果が示されており、最近では持久力の向上効果も確認されています。この点、ダイナミック(動的)ストレッチングを行うにあたっては、動きの速さと量を意識することが重要であり、最大限速く実施した方が瞬発力の向上効果が高いことがわかっています。(最初から速く実施しなくても、最初はゆっくり行い、徐々に速くしても同様の効果が得られます。)また、ダイナミック(動的)ストレッチングはその場で絶ったまま実施するよりも移動しながら実施した方が瞬発力の向上効果が示されています。
 以上のことを考慮すると、運動前のウォーミングアップとしてストレッチングを行う手順としては、お好みで30秒未満のスタティック(静的)ストレッチングを通して柔軟性をチェックした後、ダイナミック(動的)ストレッチングをメインに、30秒未満のスタティック(静的)ストレッチングを補助的に取り入れる方法が好ましいと考えられます。

 

運動後

 スタティック(静的)ストレッチングは、運動後であれば有効である(リカバリーを促進しうる)との見方があります。適切な時間行えば、精神的リラックス効果や柔軟性を高める効果はダイナミック(動的)ストレッチングより高いでしょう。この点、まだ決定的な証拠はないものの、スタティック(静的)ストレッチングによってIGF-1 と MGFの濃度が上昇することが証明されれば、こうしたホルモンの放出によって回復は早くなる上、適応とパフォーマンス向上につながるということが言え、運動後におけるスタティック(静的)ストレッチングの有益性を示すことが出来ます。
 また、怪我中、もしくは慢性的な筋肉の緊張がある人にとって、スタティック(静的)ストレッチングは尚有効であることが考えられます。これは、スタティック(静的)ストレッチングで可動域が広がったとしても、それはランニングに本来必要のない箇所というケースが多いのですが、怪我や慢性的な筋肉の緊張がある人は、ランニングに必要な可動域が普通の人と異なることもあるためです。