メモ

以下、なんとなく考えたこと・感じたことをなるべく整理した形で文字に起こして視覚化しました。ツッコミどころ満載かと思いますので、出来たら香りだけ感じてもらって、参考程度にお願いします。それっぽく書いてあっても、今はまるっきり意見が変わってるなんてことがよくあります。人は変わるからね、

アイシングについて

運動前

 運動前はアイシングをするべきでないと言われています。俊敏性に逆効果であったとする報告や上肢(太もも)の機敏性と正確性を妨げるとの報告があります。また、感覚を麻痺させるため、怪我のリスクを増加させる可能性があることを懸念する見方もあります。およそ運動20分前からはアイシングしない方が良いというのが一般的な認識です。本練習前やレース前に軽く身体に水をかける場面が多々あります。軽く水をかけて少し温度を下げる程度であれば、熱調整の意味合いでパフォーマンスを上げる効果があると言われています。故に、熱調整のためや少し気合を入れるためであれば、好きなだけやれば良いと思います。

 

運動後

 多くのランナーが激しい運動後にアイシングを行っています。これは、運動による筋肉の損傷と関係しています。激しい運動は筋肉に微細な損傷を引き起こし、それにより筋肉の成長が促された結果、回復後には以前より強化されていくわけです。しかしながら、この損傷は痛みも引き起こすため、それでは翌日のトレーニングに影響してしまうので、損傷による炎症を運動後に抑える必要があります。運動後に冷やすと血管が収縮するため、損傷した部位にたまった老廃物を早く排出する効果を生みます。スポンジを絞る的なイメージです。そして、再び風呂から上がって冷えた部分が温まると、新鮮な血液が流れ込んで治療を促進することにつながるわけです。基本的には以上が運動後に患部を冷やす理由になります。つまりは、腫れによって損傷を受けた組織周辺の毛細血管が圧迫を抑え、二次酸欠状態と呼ばれる組織の酸素欠乏状態を防ぐ、そんな目的なわけです。もう少し詳しく説明するならば、アイシングをすることで炎症を起こすホルモンであるプロスタグランジンとプロスタグランジンの働きを促進するCOXの増加を抑えることが根本的な理由になります。なぜならこれらが血流を増加させ、負傷箇所周辺の毛細血管を圧迫し、二次酸欠状態を引き起こすからです。
 しかし、これには反対意見もあります。プロスタグランジンは血流を促進し細胞の修復・成長材料を負傷箇所に集めると言われていますが、炎症は怪我に対する抵抗力をつけるために必要なのではないか、筋肉、腱、骨を強くするためには必要な過程なのではないかという意見です。構図としては、二次酸素不足を防ぐことで回復を促進させるべきなのか、修復・成長物質の放出を抑えないことで回復を促進させるべきなのか、のような構図です。この点、アイシングの効果を正確に実証するのは難しいでしょう。アイシングの効果に楽観的な論文があふれていて、短期的にはアイシングをした方が筋肉の損傷を緩和し回復を早める可能性が高そうな感じですが、多くの論文がプラシーボ効果について検討していないという点や、追跡期間が短すぎる(炎症による筋成長等の効果はより長期間の追跡が必要なのではないか)という点で疑問が残ります。
 冷風呂に入るにしても、もちろん運動後が望ましいです。冷却効果を浸透させるためには5-10分が適切と言われています。温度についても、冷たければ冷たいほどいいというわけでもなく、5℃以下の冷水を使用すると筋肉を損傷する恐れがあるからです。そこで有効な方法としては、「コントラスト療法」(5℃の冷水と40℃の温水をそれぞれ交代で浸かるプロセスを6回繰り返す方法)等があります。「コントラスト療法」の目的は、先述のように、何回もスポンジを絞るような効果を生み出すことです。このとき、深部の筋肉組織の温度を変化させるためには、1-2分では短すぎるので、上記の通り5分以上が好ましいと言われています。(持久的運動後の寒冷刺激は回復に悪影響をもたらすかもしれない、むしろ温熱刺激は骨格筋ミトコンドリアの適応を増強する可能性があり、回復が促進されるかもしれない、って見解もあるので正解はわかりません。)