メモ

以下、なんとなく考えたこと・感じたことをなるべく整理した形で文字に起こして視覚化しました。ツッコミどころ満載かと思いますので、出来たら香りだけ感じてもらって、参考程度にお願いします。それっぽく書いてあっても、今はまるっきり意見が変わってるなんてことがよくあります。人は変わるからね、

「脚が攣る」について

 そもそも脚が攣る原因(筋肉が痙攣する原因)について科学的な解明に至っていません。昔から脚が攣る原因としては、汗によって脱水状態になったり、塩分とともに電解質が失われたりするからであると強く信じられています。このように「脱水」や「電解質不足」が原因と考える説は、もともとは高温多湿の環境で働く鉱夫や汽船労働者を対象にした研究での観察結果を基にしており、そこでの「汗で失われた水分と塩分を補給することで筋肉がつることを防げる」という観察結果が普及したものです。ただし、脱水症状は全身性の問題なので一部の筋肉にのみが痙攣する理由づけにはならない、また、筋肉内のイオンバランスの乱れが痙攣を引き起こすといった理論につき、どのイオンがどれくらいの濃度にといった詳しいことは未だに解明されていない等の指摘が多くあります。実際、トライアスロンの選手を対象にしたケープタウン大学の研究では、痙攣しがちなな選手とそうでない選手との間でレース前後の水分と電解質のレベルを比較したところ、有意差は認めらないことが明らかになりました。また、ブリガムヤング大学の別の研究では、被験者に体重の3%に相当する汗をかかせたところ、痙攣の発生には違いが認められないことがわかりました。
 そこで近年有力視されているのは、痙攣とは疲労、筋損傷、遺伝などいくつかの要因から生じる神経筋制御の変化と関係するという仮説です。筋肉は、神経系によって伝達される収縮を誘発するような「興奮性入力」と、弛緩を誘発するような「抑制性入力」といった2種類の反射信号のバランスをデリケートに保っているわけですが、激しい運動によって筋肉が疲労したり筋線維が損傷したりすることで、「興奮性入力」が増え「抑制性入力」が減ります。こうして反射信号のバランスが崩れると筋肉は過敏になり、反射信号がアンバランスな状態が続くと筋肉の痙攣につながっていく。そのような理屈です。これは、痙攣が全身性の問題ではなく局所性の問題であること、最も酷使している筋肉で痙攣が起きやすい説明にもなっています。

 

運動前

 痙攣と遺伝の関係を示唆する研究結果があるくらいですので、もちろん効果には個人差があります。
・ナトリウム・カリウム・カルシウムといった電解質(イオン)をしっかり補給しておく
 バナナはカリウムが豊富で、エネルギー源としても優秀なのでおすすめです。ショウガ、マスタード、シナモン等は神経伝達に対して効果的等とも言われています。
・レース前はテーパリング期間を設けて筋肉の疲労をしっかり抜くこと
・現実的な目標設定をしてレースに臨むこと
・自分の能力を大幅に上回るペースでのレース展開を避けること
 トライアスロンの選手を対象にしたシュルナスの研究では、痙攣を起こした選手は起こさなかった選手よりも「レース前に高い目標を設定し」、「自己ベストよりも速いペースでレースを進めていた」ことが明らかになっています。また、痙攣を起こした選手が、「レース直前の週にハードな練習した影響で、筋損傷関連の酵素血中濃度が上昇していた傾向があった」ことがわかっています。

 

運動後

・塩分を多く含むドリンクを飲むこと
 発汗による電解質バランスの損失に対しては、塩分を多く含むドリンクを飲むことが重要とされています。およそ3-6g/L程度の塩分濃度が良いようです。目安としては、経口補水液OS-1で2.92g/Lの塩分、ポカリスエットで0.49g/Lの塩分です。ただし、そのようなドリンクを飲んで小腸によって吸収されて体内で使われるまでには13分程度かかると言われているので、注意が必要です。
・足が攣ったら多少痛くても攣った筋肉を伸ばすこと
 攣った筋肉を伸ばすことは、抑制性の反射を誘発するとされます。したがって、多少の痛みは伴うものの痙攣を終わらせるために効果的な方法と言えそうです。
・脚が攣りそうになったら酢や芍薬甘草湯を飲むこと
 60mlのピクルスジュースを飲むことで、筋肉の痙攣が45%速く、平均で約85秒以内に収まるという報告があります。ただし、60mlのピクルスジュースでは、全身に水分を補給したり電解質のレベルを正常にしたりするためには不十分です。この結果に関しては、ピクルスジュースに含まれている「酢」が、筋肉の反射信号になんらかの刺激を与え、バランスを正常に戻すのに役立ったのではないかと考えられています。また、漢方薬芍薬甘草湯は筋痙攣に対して即効性があり、臨床的に多くの有効例が報告されています。芍薬甘草湯に含まれる成分が「Caイオンの細胞内流入を抑制」と「Kイオンの流出を促進」することで、筋肉弛緩作用をもたらすと説明されます。