メモ

以下、なんとなく考えたこと・感じたことをなるべく整理した形で文字に起こして視覚化しました。ツッコミどころ満載かと思いますので、出来たら香りだけ感じてもらって、参考程度にお願いします。それっぽく書いてあっても、今はまるっきり意見が変わってるなんてことがよくあります。人は変わるからね、

糖質補給について

運動前

 運動前に糖質補給をする場合、そのタイミングが重要になります。運動開始30-45分ほど前に多量な糖質(75gのグルコース)を摂取した場合、運動開始時に血糖値が高くなっているものの、運動開始と同時に急激に血糖値が低下し、場合によっては低血糖症に陥ってしまうことが報告されています(運動誘発性低血糖インスリンショック)。故に、運動開始直前(30-45分前)には糖質補給を控えるべきと考えられるでしょう。
 なぜ、糖質を大量摂取しているにもかかわらず、運動により血糖値が低下してしまうのか。インスリンは糖輸送体GLUT-4を細胞膜上へと移動させて、血糖を骨格筋細胞内へと取り込ませます。運動を行うことや骨格筋を収縮させること自体も、インスリンとは別の回路を介してGLUT-4を細胞膜上へと移動させ、血糖を取り込ませる刺激となっています。運動中には、交感神経活動が亢進し、インスリンの分泌を減少するにもかかわらず、血糖値が徐々に低下してくるわけですが、これは、筋の収縮活動がインスリンとは関係なくGLUT-4を細胞膜上へと移動させて、血糖を取り込むからです。運動前に大量の糖質を摂取し、血糖値が高くなった状態で運動を開始すると、インスリン分泌が高まり、それによる骨格筋の糖取り込みの増加と、運動/筋収縮による糖取り込みの増加が合わさり、一気に骨格筋の糖取り込みが増強されることになります。それにより、血糖値が一気に低下するわけです。

 

・糖質を摂取するタイミングをずらす
 運動の1時間から1時間半ほど前に糖質を摂取することで、血糖値や血中インスリン濃度の上昇が落ち着いてから運動を開始できるようになります。また、運動直前に摂取することで血糖値及びインスリン濃度が上昇する前に運動を開始することできれば、運動によりインスリン分泌を抑えられ、低血糖状態に陥ることを防ぐことができます。


・摂取する糖質の種類を変える
 グルコースブドウ糖)は、そのままの形で消化吸収されるため、血糖値が上昇しやすく、インスリン分泌も高くなります。GI値グリセミックインデックス)が低い糖質を運動前に摂取すれば、運動誘発性低血糖が生じにくくなるでしょう。

 

運動後

 1日の中で複数レースが行われる場合、使った骨格筋や肝臓のグリコーゲンを次のレースまでに回復させる必要があります。十分に回復できない場合には、エネルギー不足となり、次レースにおけるパフォーマンス低下やトレーニングの質低下につながります。したがって、このようなケースにおいては、運動後にできるだけ速やかにグリコーゲンを回復させることが重要になります。
 グリコーゲン回復のためには、当然その材料となる糖質を摂取しなければなりません。この点、糖質の摂取量が1時間当たり1.0-1.2g/km程度のところで筋グリコーゲンの回復力が最大になり、それ以上増やしても更なる効果は期待できないことがわかっています。しかしながら、この量を毎時間摂取することは難しいでしょう。そこで、近年注目されている方法が、糖質に加えて他の栄養素を摂取することです。例えば、糖質に加えてタンパク質(0.4g/kg/時)を同時に摂取することで、糖質量を減らしても(0.8g/kg/時)、糖質を大量(1.2g/kg/時)に摂取した場合と同じぐらい運動後の筋グリコーゲンが回復することが報告されています。(糖質とタンパク質を同時に摂取した場合には、十二指腸や小腸からグルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)やグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)等の消化管ホルモンが分泌され、その作用によりインスリンの分泌が増強された結果、筋グリコーゲンの回復が促進される。)こうした結果から、筋グリコーゲン回復のためには、その材料である糖質だけでなく、タンパク質も摂取することが進められるわけです。 
 また、糖質を摂取するタイミングも重要です。1988年にIvy教授らによって報告された論文には、長時間の自転車運動の終了直後もしくは終了2時間後に摂取した場合の筋グリコーゲン回復率を比較した結果、同じ量の糖質を摂取したのにもかかわらず、運動終了直後の方が、運動終了2時間後と比べて筋グリコーゲン回復率が約2倍高かったとしている。この点、国際スポーツ栄養学会(ISSN)による公式見解では、運動終了後30分以内に摂取するべきと記されている。しかしながら、明確に運動終了後何分目までに糖質を摂取するべきと明らかになっているわけではなく、なるべく早い時間帯に摂取できるならば摂取するべきだろうと考えられる。ただし、運動終了後の速やかな糖質補給が必要なのは、あくまで次レースまでに時間が限られている1日に複数レース行われる場合等に限り、グリコーゲンを回復させるのに十分な時間がある場合には、運動後それほど急いで摂取する必要はないです。なぜならば、回復までの時間が十分にあれば、たとえ糖質摂取が遅れて回復率が低下したとしても、筋グリコーゲン量は十分に回復するからです。